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もり蕎麦はなぜせいろに

 もり蕎麦はなぜ蒸籠(せいろ・そいろう)に盛られているのでしょう。水気を切るためじゃないの。その通りでしょう。って、それじゃあ話が終わってしまいます。ただ水を切るためだけなら、わざわざ蒸籠にする必要はないと思います。簾状のものが下に敷かれていれさえすればいいのですから。
 
 このうんちくのはじめの方の「麺としての蕎麦・蕎麦切」の中に『蕎麦切は寺で出されるか、茶の席で出されるかで、しばらくは庶民の食べ物では無かったようです』と書きました。そして次の「蕎麦屋のはじめ」で、初めて蕎麦屋の登場を書きました。その二つの間にもう一段階あったのです。
 はじめのころの蕎麦切りはもちろん十割蕎麦。ですからとてもつながりにくいはずです。そこで考えられたのが蒸籠で蒸す事でした。しかも、その発想は当時、蒸籠を使っていた菓子屋(まさか駄菓子屋ではありませんよ。今ならさしずめ和菓子屋)から出たようです。菓子屋で蒸した蕎麦を出していたようです。
 
 その後、独立したそば屋が出来たり、小麦をつなぎに使う蕎麦が登場し、蒸した蕎麦はすたれましたが蒸籠に盛る様式は残りました。おそらく、その時水切りの役に立つ事が蒸籠を生き残らせたのでしょう。
 
 今では蒸籠より笊に盛る所の方が多くなってきたように感じるのですが、管理人は蒸籠に盛られている方が好きです。
 
    <参考図書 『蕎麦年代記』 新島繁著 柴田書店>
    <参考図書 『改定新版 蕎麦辞典』 植原路郎著 中村綾子改定編集 東京堂出版>
    <参考図書 『蕎麦の事典』 新島繁編著 柴田書店>
    <参考図書 『蕎麦なぜなぜ草紙』 藤村和夫著 ハート出版>