「けんどん屋」は江戸時代のそば屋の異称で、駄そば屋の意味で使われたそうです。1664年(1662年とも)に「けんどんそば切」として書物に出てくるそうです。まだ江戸前期ですね。
はて、「けんどん」とはなんぞや。「突っけんどん」という言葉がありますね。その下の部分を使ったようです。「慳貪(けんどん)」は思いやりのないこと。愛想のないこと。あらっぽいこと。また、そのさま。つっけんどん。と、あります。愛想の無い蕎麦屋があったのでしょうか。
「そば屋」という言葉が通用しはじめたのはその後の事のようです。
また、「大名けんどん」という言葉があります。これは逆に大名が食べるほどの豪華な器です。下々の食べ物であるそばを食べてみたい、という所からの発想のようです。ここでは駄そばの意味は無くなっているようですね。
<参考図書 『改定新版 蕎麦辞典』 植原路郎著 中村綾子改定編集 東京堂出版>
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